ペールブルーがかさなる

2019.11.13

短編映画「ペールブルーがかさなる」の上映情報が続々とあがって参りましたので、オフショットを交えながら、撮影時の思い出話を。

昨年2018年2月。

顔合わせ前夜に雪が降り、ツルツルと滑る道路を、慎重に踏み固めながら会場へ向かった事を鮮明に覚えています。人見知りな私は、下手な愛想笑いを浮かべながら、ぎこちなく挨拶をして、そそくさと帰ったような記憶です。

 

そんな初めましてだったにも関わらず、数日後のリハーサルでは、監督やキャストの皆さんと、喧嘩なのでは?!と思われてしまいそうな程の、熱い議論を交わしました。次々と生まれる疑問や課題に、一生リハが終わらないかもと、密かに絶望したな〜。笑

 

そして迎えたクランクイン。

現場入りをしたら「ゆでたまご」!!

何でもない無い会話の中で『大好物なんです。』と話したら、スタッフさんが用意して下さって。なんて素敵なお気遣い。すごく嬉しかったです。

 

今回の撮影では、2つ、新たな経験をさせて頂きました。

 

1つ目は、「レジ」。

小さい頃『やってみたいな〜。』と、いつも眺めていました。

時を経て、こうした形で叶うとは。

商品についたバーコードをかざす作業が楽しくて、つい夢中になりました。

 

2つ目は、「たばこ」。

甘いフレーバーのたばこで練習を重ねました。

煙に集中しすぎて指に力が入り、たばこを折った時は、心も折れそうになりました。笑

 

役を通して様々な経験が出来る事、時にそれが辛い事もありますが、演じるという仕事の魅力です。

 

撮影ラストは、極寒の川沿いにて。

とても大事なシーンの撮影でした。

寒さと緊張で追い込まれている中、相手役の白木孝宜さんが突然アドリブでお芝居を始めたので、心臓がどうにかなってしまうのではと。カットがかかり、監督の『OK』が出た事に驚きながら撮影を終えた記憶です。笑

実は、その時の映像がそのまま作品に使われています。

私が演じさせて頂いた吉田留凪は、無気力ながら、フリーターという形で社会の歯車となっている女の子。仕事にやりがいを感じている友人や、忙殺されている兄と関わる中で、「働く」という事に葛藤を抱きます。

投げやりな発言、繊細な心情。

留凪の不器用さに注目して見て頂けたらなと。

皆でぎゅっと集まって映像をチェックしている写真、私のお気に入りです。

 


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